毎年5月18日は上御霊神社〔皇室の産土神〕の還幸祭(おかえり)があり、神輿(みこし)が京都御所の朔平門の前まで進出する。
神輿渡御は〔コロナのため2020、2021年と行われなかったが〕3年ぶりに復活した。
それで見に行ったのだが、ことしは1基、「中之御座(末廣会)」だけの出御だった。
あとの2基、「北之御座(今出川口、元和5年(1619)に後水尾天皇から下賜)」「南之御座(小山郷、文禄5年(1595)後陽成天皇から下賜)」はなかった。
まだ、コロナが充分収まってないということか。
夕陽に照らされた朔平門前では “エラィヤッチャ、エラィヤッチャ” の掛け声で神輿振りが行われ、砂ぼこりが舞った。

朔平門前で神輿振り 2022.5.18 17:50 PM
ところで、京都ではお神輿の掛け声はふつう ”ホイット、ホイット” だ。
しかし、中之御座の神輿だけは “エラィヤッチャ、エラィヤッチャ” というのだそうだ。
“エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイヨイヨイ” というと阿波踊りの掛け声だそうだが、中之御座の神輿は その ”ヨイヨイヨイヨイ” はない.。
なぜ独特の “エラィヤッチャ、エラィヤッチャ” なのか。
中西仁氏の研究「末廣神輿考」(佛教大学大学院紀要第49号 2021年3月)によると、御霊祭で 従来2基だった神輿に、明治13年この神輿が加わったとき、その担ぎ手の喜びと、他の神輿との違いを表わすために、京都でふつう使われる ”ホイット、ホイット” と違うのにした、とある。
来年は3基そろっての神輿振りを見たいものだ。
〔( 3基そろっていたころの記事は こちら、2017.5.18 )〕
2022.5.18