京都御苑にはサルスベリがたくさん植えられている。
夏の御苑で文字どおり 「花」 を添えるサルスベリだが、7月も終ろうというのに、ことしはほとんど咲いてない。
そんな中で、一番咲いていると思われる木があった。

2018.7.30 10:40 AMこの木は、2014年に 「やっと1本、少しだけ花の咲いたサルスベリをみつけた」 とレポートした木だ。(
こちら、2014.7.20 )

2018.7.30部分によってはかなりよく咲いている。

2018.7.30
2018.7.30
クサギが咲く季節となった。

2018.7.30 10:00 AM花に近づくと匂いがする。
他の花にない、長いひげ(雄しべ)が特徴だ。

2018.7.30つぼみもまだ沢山あるので、これから順次咲いていきそうだ。

2018.7.30
2018.7.30
ことしの夏は異常気候だ。
京都の最高気温は7月14日から26日まで、連続13日間37℃を超え、18日・19日は39℃を超えた。
7月19日には最高気温39.8℃を記録して観測史上1位タイだったそうだ。
猛暑のあとは、今回のコースは観測史上初めてという東から西に進む台風がやってきてきのう(29日)には大雨を降らせた。
きょう御苑を歩いていたらSさんに出会った。
袋から取り出して見せてくれたのがトチ(栃)の実。
「きのうの大雨で ぎょーさん落ちた」 とのこと。
それなら
・・・ と見に行ったら、まだ拾われないで たくさん残っていた。( 👇 )

2018.7.30ただ、今回は実(み)に茎がついているのが多い。
茎がついているのは、ひょっとしてまたカラスのいたずらのせいかと思ったので、 写真を撮った。 ( 👇 )

2018.7.30でも、Sさんによれば、雨で根元から折れたんだという。
カラスのいたずらではなかったようだ。
実(み)がこれだけ落ちてしまったら、秋に実らないか心配だ。
---------------------------------------その近くではマユミ(真弓)の実が無数に散乱していた。

2018.7.30こちらは大雨のせいではなさそうだ。
猛暑のせいで (水不足で?) 落ちてしまったのだろうか。

2018.7.30すっかり落ちてしまって、実がもう全然残ってない木もある。
これじゃ秋に、あの ( 👇 ) 衝撃的な赤い実は見られないなぁ。
マユミの赤い実、これは去年の様子(2017.11.9)2018.7.30
ここ数日、京都は猛暑が続いている。
そんな中でキンミズヒキが咲いていた。

2018.7.18 13:00 PMまだ 咲き始めか と思いきや ・・・

2018.7.18咲き終わって、もう 「クッツキ虫」 が出来上がっている茎もあった。
↓
2018.7.18こちらは キンミズヒキ の葉っぱ。

2018.7.18キンミズヒキは秋の花だ。
気候は真夏でも、自然界はもう秋の気配だ。
2018.7.18
ここ数日、京都は猛暑が続いている。
そんな中、草地を歩いていたら白い花に気づいた。
秋の花、ゲンノショウコだ。

2018.7.18 12:40 PM真ん中の雌しべの先がまるで噴水のような形で5つに分かれている。
↑ここでは雄しべ(と葯)が見えない。
近くに紅紫色のゲンノショウコもあった。
こちらは10本の雄しべ(と葯)があるが、雌しべの柱頭はまだ5つに分かれていない。
↓多分、これから先が伸びて5つに分かれるのだろう。

2018.7.18こちらはそのクローズアップ写真。
↓10本の雄しべ(と葯)がシッカリと分かる。
インターネットでは 「(ゲンノショウコは) 東日本は白い花、西日本には紅紫色の花が多い」 と書かれたサイトが多い。
ここ京都御苑は両方が見られる。
京都は東日本と西日本の中間、ということなのか。

2018.7.18
2018.7.18
ヘクソカズラ (屁糞葛) がもはや咲いていた。
例年より早い気がする。

2018.7.11 11:20 AM以前のブログにも書いたが、ヘクソカズラ (屁糞葛) は万葉集にも出てくる昔から日本にある植物だという。
菎莢(ぞうきょう)に 延(は)ひおほとれる屎葛(くそかずら)
絶ゆることなく宮仕へせむ
(萬葉集第16巻、3855)
意味としては、菎莢(ぞうきょう)という木 (別名、サイカチとかカワラフジノキとか呼ばれるマメ科の落葉高木) に延びてからんでいくクソカズラ。そのクソカズラのように私はいつまでも宮仕えしましょう(したいものだ)。というような意味だそうだ。
朝廷に対する忠誠心というよりは、「クソカズラのようにからみついて」と詠んでいるので、何があっても辞めないぞというちょっとした皮肉が込められているという。
なるほどぉ。
この歌は、物の名前を詠みこんで即興で歌を作るという宴席での遊びの中で 高宮王(たかみやのおおきみ) という奈良時代のお役人が詠んだ歌だそうだ。
この歌のように、クソカズラは当時から、周りの木にまとわりついて伸びていくのでよく知られていたらしい。
まとわりつく様子はこの写真のとおりだ。
↓そのクソカズラに、いつの頃からか へ(屁) がつけられたらしい。

2018.7.11花の写真を撮っていたら、アリが花の中に入ってなかなか出てこない。
よっぽど密がおいしいのか。
アリがやっと出てきたところ。
↓
2015.8.16
パソコンの方はマウスを乗せると拡大します
2018.7.11
ナンキンハゼの花が咲く季節になった。

2018.7.10 10:50 AM葉っぱとよく似た色なので目立ちにくいが、日が当たると黄色が冴えてよくわかる。

2018.7.10花はまだ咲いていないようだ。

2018.7.10まだつぼみの状態らしい。
根元の方は大きな花の様なものがあって、しかしこちらはもう咲き終わっているようだ。
↓調べたら、根元の方は大きな花の様なものは
雌花。全体についている小さなものが
雄花だそうだ。

2018.7.10木の近くには実生のナンキンハゼがあちこちに生えていた。
↓
2018.7.10
2018.7.10
鮮やかな青紫の花が咲いていた。
ヒナギキョウ(雛桔梗)だった。

2018.7.2 11:10 AMあまり見かけない花だが、鮮やかな青紫が美しい。

2018.7.2「ヒナ」 は小さいという意味だから、ヒナギキョウ は小さい キキョウ、というところか。
キキョウ(桔梗)といえば、京都では 「祇園祭のころに咲く」 といわれて、ちょうど今頃(7月の初め)に咲く。
ここ京都御苑の東隣に蘆山寺というお寺があり、本堂の前にある 『桔梗の庭』 ではキキョウがよく咲いている。
しかし ヒナギキョウ は キキョウ に似てないので、「小さい キキョウ」 というには少々無理があるように思う。

2018.7.2
2018.7.2
そろそろ咲くころだと思って 探していたネジバナを、きょう見つけた。
花の咲く頭頂部の 下の方にだけしか咲いていないので、まだ咲き始めのようだ。

2018.7.1 11:10 AMこれはそのアップ。
↓
2018.7.1そして、こちらは別のところに1本だけ咲いていたネジバナのアップ。
↓こちらは咲き始めて数日経つのか、花がねじれて咲いていた。
近くにいた人は 『ねじねじ』 と呼んでいた。 また 『ねじねじ草(そう)』 ともいうとのこと。
いろいろ呼び名があるということは、それだけ親しまれているということか。

2018.7.1ところで、ことしの御苑は手入れが行き届いていて、下草がきれいに刈られているところが多い。
ネジバナも一緒に刈られてないか心配だ。
しかし一方で、「夏場に他の草が繁茂すると割とあっさり消えてしまう」 といった書き込みもインターネット上にあるので、下草が刈られていないのもよくないらしい。
刈られても踏まれても生えてくる雑草もあるが、ネジバナは環境に敏感な野草らしい。
そう思うと いとおしくなる。
2018.7.1
京都御苑のガイドさんに、「アオバズク」 が営巣しているクスノキのところに連れて行ってもらった。
アオバズクはとても人気があって、この時期にはいつも大勢の見物人がいるものだが、きょうは どういう訳か 我々のグループだけだった。
きょうは、いないのだろうか。
と、ガイドさん、『ほれ、あそこ
! 見えますか?』
さすが ガイドさんは見つけるのが早い。

2018.7.1 10:10 AMガイドさんの指さす方向をみると、静かに止まっていた。
アオバズクは夜行性とのことなので、この時間帯は眠っているのか。
わたしのカメラは望遠が利かないので、スマホで撮ってみた。
↓画像を拡大したら、なんとかわかる。

2018.7.1アオバズクは南方から日本にやってきて、6~7月頃に巣を作り子育てし、秋に帰るという 「夏鳥」 だ。
京都府レッドリストカテゴリー (野生生物 2015)によれば、
夏鳥として府内に生息して繁殖する。
繁殖個体数は少なくはないが、近年減少している。
として、
準絶滅危惧種 に分類されている。
ガイドさんの話では、御苑内には3番い(つがい)位が生息しているとのことだった。
2018.7.1
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