京都御苑の四季

四季の移ろい・主に植物観察

ヘクソカズラ

ヘクソカズラ (屁糞葛) がもはや咲いていた。
例年より早い気がする。

屁糞葛
2018.7.11 11:20 AM

以前のブログにも書いたが、ヘクソカズラ (屁糞葛) は万葉集にも出てくる昔から日本にある植物だという。

菎莢(ぞうきょう)に 延(は)ひおほとれる屎葛(くそかずら)
絶ゆることなく宮仕へせむ

(萬葉集第16巻、3855)

意味としては、菎莢(ぞうきょう)という木 (別名、サイカチとかカワラフジノキとか呼ばれるマメ科の落葉高木) に延びてからんでいくクソカズラ。そのクソカズラのように私はいつまでも宮仕えしましょう(したいものだ)。というような意味だそうだ。
朝廷に対する忠誠心というよりは、「クソカズラのようにからみついて」と詠んでいるので、何があっても辞めないぞというちょっとした皮肉が込められているという。
なるほどぉ。

この歌は、物の名前を詠みこんで即興で歌を作るという宴席での遊びの中で 高宮王(たかみやのおおきみ) という奈良時代のお役人が詠んだ歌だそうだ。

この歌のように、クソカズラは当時から、周りの木にまとわりついて伸びていくのでよく知られていたらしい。
まとわりつく様子はこの写真のとおりだ。

そのクソカズラに、いつの頃からか へ(屁) がつけられたらしい。

屁糞葛
2018.7.11

花の写真を撮っていたら、アリが花の中に入ってなかなか出てこない。
よっぽど密がおいしいのか。
アリがやっと出てきたところ。

ヘクソカズラの花
2015.8.16
パソコンの方はマウスを乗せると拡大します

撮影地点=地図
2018.7.11






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