京都御苑の四季

四季の移ろい・主に植物観察

ヘクソカズラ

ヘクソカズラ(屁糞葛)が咲いていた。

ヘクソカズラ
2015.8.16 07:45 AM

かわいそうな名前で有名だ。
カズラ(蔓/葛)という名前のとおり「つる草」だ。
周りの木にまとわりつきながら延びている。

ヘクソカズラ
2015.8.16

花は白い釣鐘型をしている。
花の中は真っ赤だ。(あずき色というのか、ワインレッドというのか)

ヘクソカズラ
2015.8.16

花の中は白い短い毛が密生していて、そこから長い髭が1本でていてくるっと曲がっている。

ヘクソカズラの花
2015.8.16
パソコンの方はマウスを乗せると拡大します

外来種の雑草かと思いきや、調べてみたら万葉集にも出てくる昔からある植物だそうだ。

菎莢(ぞ う き ょ う)()ひおほとれる屎葛(く そ か ず ら) 絶ゆることなく宮仕へせむ 」(巻16-3855)

意味としては、菎莢(ぞ う き ょ う)という木 (別名、サイカチとかカワラフジノキとか呼ばれるマメ科の落葉高木) に延びてからんでいくクソカズラ。そのクソカズラのように私はいつまでも宮仕えしましょう(したいものだ)。というような意味だそうだ。
朝廷に対する忠誠心というよりは、「クソカズラのようにからみついて」と詠んでいるので、何があっても辞めないぞという決意の意思表示のようだ。

物の名前を詠みこんで即興で歌を作るという宴席での遊びの中で高宮(たかみやの)(おおきみ)という奈良時代のお役人が詠んだ歌だそうだ。

この歌のように、クソカズラは当時から、周りの木にまとわりついて伸びていくのでよく知られていたらしい。
そのクソカズラに、いつの頃からか へ(屁) がつけられたらしい。

撮影地点=地図
2015.8.16







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